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和牛利権、日本と中国とオーストラリアの関係。ニコールキッドマン一族と東インド会社|Garden Dairy

「和牛」が海外に売り渡されたということが一部で話題となっていました。

その是非を問うにはあまりにも知識が不足しているので、ここでは、「和牛」について調べている中で知ったことをまとめておきます。

はじめは、ハリウッド女優のニコール・キッドマンの一族がオーストラリアに、国内最大の超巨大畜産牧場を持っているということでした。

〜以下こちらから引用〜

女優ニコール ・ キッドマン(43)の先祖代々からの資産で設立された、「キッドマン・ホールディングス」というオーストラリアにある会社の所有する土地面積(写真の赤い部分)が、個人・法人では世界第8位となる広さであることを、英『デイリー・メール』電子版が報じている。

その総面積はなんと2400万エーカー。1エーカーは約1200坪である。いったいどれほどの広さかというと、30坪の土地に駐車場とちょっとした庭付きの2階建ての家、このような日本でよく見かける住宅が約9億6千万軒も建つことになる。もっとも広大なオーストラリアのこと、そこには農牧地帯や手つかずの荒野も含まれており、誰もが狙っているような土地ばかりでもないようだ。

1842年にオーストラリアにやって来たブリジッド&ジェームズ・カラシャー夫妻が、その後ポート・マッコーリーという土地の農場で働くようになり、そこで産まれた息子は13歳で片目の馬とともに家を脱走。独力で農場を始め、成功すると次々と土地を購入していった。この人物が1935年に他界したニコールの曽祖父シドニー・キッドマン卿で、その資産を基に「キッドマン・ホールディングス」が設立され、現在一族のビジネスとなっている。

〜引用終わり〜

そして、その土地を買収して、畜産業に乗り出したのが、中国企業と共に共同経営となったジーナ・ラインハートという人物。

そのジーナ・ラインハートに日本牛肉ブランド「和牛」を売り渡したのが北海道の武田正吾。武田正吾はカンブリア宮殿でも特集された人で、日本の畜産業界では、その行動に賛否両論があります。

その流れを、かなり長くなりますが、引用します。

〜以下将来、和牛は『WAGYU』としてアジアの食肉ビジネスを席巻するだろう!?|HELLO STRANGERから引用〜

世界最大の牧場主、ジーナ・ラインハートが考えてること 今年の3月にBloombergの記事にこんな見出しの記事が飛び込んだ 中国のグルメ向け3万円ステーキに照準-豪女性富豪、飼育牛増やす オーストラリア首位の女性富豪ジーナ・ラインハート氏は、肉牛の飼育数を増やしている。中国のグルメたちに向けてプレミアムステーキの供給を増やすためだ。

この中国富裕層向けに豪州企業が牛肉ビジネスで攻勢している背景というのが、なかなか面白いので、まずはそこからご紹介します。 ジーナ・ラインハートとは豪州No1の資産家として有名な人物で鉄鉱石を扱う企業「ハンコック・プロスペクティング社」を率いる女性経営者です。 先代の父親が亡くなった時に、一人娘であったために会社をすべて引き継ぐことになり、その後も経営手腕を発揮し増収増益を繰り返し世界で27番目にお金持ちの地位を築いた方です。 このジーナ・ラインハートと世界の牛肉市場がどう繋がって来るかといえば、実はこの人物は世界最大の牧場主でもあるんです。厳密に言うと世界最大の牧場主になったです。

2016年に豪州でシドニー・キッドマン(以下:Sキッドマン)という肉用種を18万頭肥育する超巨大牧場が売却に出され、Sキッドマンをジーナ・ラインハートが率いるハンコック・プロスペクティング社と中国の企業(上海CRED)が買収。 この買収劇は過去2度、海CREDで実行し豪州政府に棄却されたが、3度目にジーナ・ラインハートと企業連合を組み買収に成功、18万頭を肥育する世界最大の牧場主ジーナ・ラインハートが誕生しました。 そしてジーナ・ラインハートは肉牛の飼育数を2-3年以内に25%増やし約20万頭とすることを目指している。と表明しています。すごい頭数ですよねw 中国企業がどうしても欲しかったSキッドマン。実に北海道や韓国と同規模の面積を保有している巨大牧場です。

この買収劇に手をかしたジーナ・ラインハート。

そして彼女が今一番力を注いでいるのが高値で売れる「WAGYU(和牛)」の育成です。 なぜ門外不出の和牛メソッドは海を渡ってしまったのか 一般にアルファベットWAGYUの定義をここで触れておきます。 このWAGYUという言葉は豪州(オーストラリア)の牛肉を指しています。畜産食肉の関係者は「オーストWAGYU」などと呼んだりしていますね。

どんな条件でWAGYU認定されるかといいますと、 牛の血統の交配割合のうち和牛血統が50%を超えるものがWagyuとして分類され 豪州の牛総飼養頭数の0.9%である約25万頭と推計されている(2015時点) 豪州産Wagyuは日本と同様に穀物で肥育されるものの、育成までは放牧主体であり、肥育期間も日本と比較して短く、コストを抑えた豪州の肉牛生産の特徴を最大限に取り入れた生産体系となっている。8~9割はアジアを中心とした輸出市場に仕向けられています。 50%でもWAGYUというブランドを名乗るブランディングの上手さと、市場ターゲットをアジアに絞り込んだ点など、あまりにも計算された展開に驚いてしまいます。

そもそも、和牛の血(血統)がなぜ豪州にあるのか? 北海道の畜産業者だった武田正吾氏が“WAGYU”の生みの親ともいわれるデービッド・ブラックモアに輸出した事が始まりです。

輸出は具体的には和牛遺伝子の輸出独占契約を結び、受精卵、精液の輸出を行った形で実行されました。 武田氏は「おいしい和牛を世界中の人に食べてもらいたい」という想いから実行した事も理由の一つと言われているが、国益に反した行為とも考えられ、国内では批判も多くあります。 このデービッド・ブラックモアがまた、やり手なんですがブラックモアは和牛飼育だけでなく、純血種和牛の遺伝子販売も手掛けており、この純血種和牛「フルブラッドWAGYU」が、ジーナ・ラインハートの手に渡ったという経緯で今日の状況になっているわけです。

アジアの牛肉市場はどのくらい魅力的な市場なのか? 豪州やジーナ・ラインハートが産業として狙うアジアの牛肉マーケットというのは、それほどうまみのある市場なんでしょうか? その市場は一体どの程度の規模まで膨れ上がるのかを調べてみました。農林水産政策研究所によると 2026 年における世界の食料需給見通しを確認すると以下の様な予測になっています。 全世界的に牛肉の消費量は向こう10年は伸びる一方ですね。下がっている地域がないというのも驚きなのですが、アジアの消費量の部分を見ていただくと伸び方が違いますね。 17百万トンから23百万トンですので134%の上昇です。 これはあくまでも消費量の話ですが、 ここに冒頭でお話した“中国のグルメ向け3万円ステーキに照準”といった高級商材で消費されると、市場規模はどんな数字になるんでしょうかね。 先日、上海で豪州産牛肉が100㌘5,000円という数字をつけたそうですから中国市場の全貌が巨大すぎて掴みきれないというのが感想です。 一方、豪州は国内消費伸びていないというのも面白いですね。完全に輸出用商材と割り切っていることが米国と違うところでしょう。 豪州産WAGYUが日本の食卓にあがる日もあるのでしょうね。

デービッド・ブラックモアはこんな事を言っています。 「霜降りなど肉質の面では日本産和牛におよばない」と認める。 しかし、世界的に健康志向が高まる中、霜降り偏重の日本産は脂肪分が多すぎてステーキには不向きで、敬遠される恐れがあると指摘。「現地のニーズに合わせた肉質を作る必要がある」 どこまでもプロだなぁと関心してしまいました。私は彼の考え方には好感を持てます。商売というものが根本的に上手なんでしょう。ブランディングやマーケティングにだけハンドルを預けるのではなく、味の嗜好性や客観的分析も良くできているからこその発言なのでしょうね。 推測ですが、この豪州産WAGYUを日本でも逆輸入する様なトレンドは来るのではないかと感じています。それは、当然あって良いことだと感じていますし、どちらかというと賛成です。 それは、美味しさに対して自らの味覚で判断をするような、そんな流れが来るのかと思うと畜産家としては楽しみでもあります。 国産、和牛、外国産、乳牛、という区分から、牧場単位の様な牛肉のセレクトができるキッカケが来るのであれば、我々ハローストレンジャーも対オーストWAGYUに挑戦をしてみたい世界だと考えていたりします。

武田正吾氏の「おいしい和牛を世界中の人に食べてもらいたい」という言葉には産業の保守などといったことよりも、もっと本質的な味覚に対する生産者の要求というものを感じる事もできると思います。 今回の記事では、現在世界で起こっている和牛(WAGYU)を巡るトレンドを説明してみました、経済性という側面からアプローチした内容にはなっていますが、確実に日本の食卓にも変化をもたらす一手だと感じています。 「和牛は日本のものだ!!」という先入観は既に過去のものになりつつあり、1つの品種、血統としてオープンに開放された時代になって来たようです。 こうした時代にとって、舌で味わい、美味しいものが美味しいというシンプルな食卓になってほしいですね。

〜引用終わり〜

武田正吾がデービッド・ブラックモアと和牛の独占契約を結んだということが始まりのようですが、なぜこの二人が繋がったのかはよくわかりません。

ともかく、この続報のようなもので、上の引用で言われているように、TPPの影響を受けて、オーストラリアで飼育された「和牛」が、日本に逆輸入されることになりました。

〜以下こちらから引用〜

食肉メーカーなどがオーストラリアから輸入した子牛を日本で約15カ月肥育し、「国産牛」としてブランド販売する動きが広まってきた。同国産「Wagyu」の血筋を引く。交雑種(F1)より高いが、和牛より低い価格を想定し、生産量が減る国産牛肉の代替として提案する戦略だ。環太平洋連携協定(TPP)発効で生体牛輸入の関税が段階的に下がり16年目に撤廃されるため、こうした取り組みが増える見込みだ。(鈴木薫子)

TPP発効で拡大も
 食肉メーカー最大手の日本ハム(大阪市)は今春から出荷する。同国から300キロ程度に育った子牛を同社のグループ会社が輸入。「Wagyu」の純粋種と、肉質が良いアンガス種を交配させた牛で、同国では「Wagyu」の交配割合が50%以上の場合、「Wagyu」に分類される。

 船で輸送後、福岡県内の指定農場で15、16カ月間肥育。和牛と同じ飼料を給餌し、さしを入れる。九州の食肉センターでと畜後、日本ハムが販売する。

 肉は「国産牛 肉専用種」のブランド名で販売する。国内での飼育期間が海外より長ければ「国産牛」と表示できる。同社は消費者が求めやすい価格帯の国産牛肉として売り込む姿勢だ。

 同様の取り組みをする食品卸のマルイチ産商(長野市)は昨年6月から、「信州白樺(しらかば)若牛」のブランドで販売。県内のスーパーなどへ卸す。首都圏での販路拡大を狙い、今月中旬に千葉市で開かれた食品展示会でPRし、注目を集めた。和牛とF1の中間の価格帯を目指しているという。同社は商社を通して、年間250~300頭を輸入する。

 背景には、テーブルミートとして一般的な国産乳用去勢牛の生産量が減っていることがある。酪農家で雌雄判別精液の利用が進み、2017年度は5万8000トンと、6年連続で減少した。

 国内の子牛相場の高騰もあり、オーストラリアからの導入は生産費を抑えられ、東京都内の流通業者は「国産F1子牛より1割安い」と指摘する。

 同国との経済連携協定(EPA)で現在は、300キロ以下が1頭3万600円、その他は同5万1000円の関税が課せられている。TPP発効で生体牛輸入にかかる関税が16年目に撤廃されるため、仕入れコストが一段と下がる。

 日本家畜輸出入協議会によると、今年度(18年4月~19年1月)の肥育用もと牛の輸入頭数は1万2696頭。全て同国からで、17年度通年を既に13%上回っている。

〜引用終わり〜

すでに信州(長野県)では、オーストラリア飼育和牛が販売されていたというところにも驚きましたが、この一連の流れは、TPPが始まるところに合わせてきたようにしか見えず、全てあらかじめ予定されていたもののように感じます。

この武田正吾が、なぜ契約に踏み切ったのかが、はっきりとしませんが、彼が所属する北海道の白老町は和牛に力を入れ、かつて全道総合畜産共進会で「和牛くらふみ号」が最高位賞を受賞したことがあるそうです。1968年の話です。

で、この白老町が製紙業界ナンバーツーの「日本製紙」のお膝元のようなところで、工場があることもさることながら、白老町が姉妹都市提携を結んでいるカナダのケネル市がありますが、この姉妹都市提携の仲介をしたのが、日本製紙だったそうです。

日本製紙はケネル市に1969年に工場を設立。ケネルはクイネルとも表記されますが、この町はカリブーゴールドクオーツ鉱山(Cariboo Gold Quartz Mine)という鉱山で大きく栄えた町だったようで、その後もパルプや製材など木材で大きく発展していったようです。

さらにその後、インドから多くの移民がやってきて、1973年には、インド系カナダ人コミュニティがシーク寺院を建設。そして、彼らインド系移民が不動産投資をすることでさらに発展したとのこと。

アメリカに日本製紙のビジネスマンが関係を作っていて、その後、何かしらの繋がりで、和牛を流すことになったと考えられます。

世界中を植民地化した「大英帝国」の頃まで遡ればわかるように、アメリカではイギリスの商人が多く活動していますし、オーストラリアもまた然りです。

その上、明治維新の時に北海道の畜産を築き上げたのが、アメリカの御雇外国人のエドウィン・ダンでしたが、彼はスコットランド系の出自を持つ人でした。

そして、アメリカの和牛はスコットランドのアバディーン・アンガス種との交配したものとされています。

つまり、明治維新を新政府軍と成し遂げた、ジャーディン・マセソン商会やトーマス・グラバーらの「東インド会社」一族が、暗躍しているのが「和牛」と「TPP」の動きでした。

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