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偽装農家とは誰なのか⑤全自動農村が大企業主導=国家とグル。国の税金を引っ張る、農村の不労収入の現状|Garden Dairy 2019年1月4日

総務省 未来のイメージ 15_農業

出典:総務省

総務省のワーキンググループ(WG)が策定した、政府が描く日本の未来として、未来イメージ「15の生活シーン」という完全なるSF映画の世界が描かれた資料があります。

IoT新時代の未来づくり検討委員会の第三回会合でその素案が掲載されています。

◯IoT新時代の未来づくり検討委員会 産業・地域づくりWG(第3回) 事務局資料 PDF

IoT新時代の未来づくり検討委員会というのは、

情報通信審議会>情報通信政策部会>IoT新時代の未来づくり検討委員会

という力関係で、総務省の情報通信審議会の下部組織という位置付けです。

情報通信審議会の構成員を見ると、会長はトヨタ自動車の内山田竹志で、そのほかホリプロの堀義貴社長などが加わっており、このメンバーは過去の記事でご紹介しました。

政府が進めるAIと通信分野とICT農業の繋がり。マクロン政権のようにならないために|Garden Dairy 2018年12月19日(水)

未来イメージ「15の生活シーン」の「素案」がお目見えとなった、IoT新時代の未来づくり検討委員会「産業・地域づくりWG」の第三回会合の参加者が以下のメンバーとなります。

【構成員】
森川博之 主任(東京大学)
大南信也(特定非営利活動法人グリーンバー)
岡田陽介(株式会社ABEJA)
川原均(デロイトトーマツコンサルティング合同会社)
栗山浩樹(日本電信電話(NTT)株式会社)
桑津浩太郎(株式会社野村総合研究所)
重松大輔(一 般社団法人シェアリングエコノミー協会)
関治之(一般社団法人コード・フォー・ジャ パン)
高橋利枝(早稲田大学)
丸山隆志(東京女子医科大学)
阿部博則(森構成員代理(KDDI株式会社))
横尾俊彦(佐賀県多久市長)
【ゲストプレゼンター】
樋口美雄(慶應義塾大学)
松村方生(株式会社シグマクシス)
【オブザーバー】
柴崎哲也(内閣官房 IT 総合戦略室 参事官)
今泉宣親(金融庁総務企画 局政策課 政策管理官)
【総務省】
鈴木茂樹(総務審議官)
吉田眞人(官房総括審議官)
吉岡てつを(官房審議官)
今川拓郎(情報流通行政局情報通信政策課長)
岡本成男(情報流通行政局情報通信政策課 調査官)
高田義久(情報流通行政局情報通信政策課情報通信経済室長)
犬童周作(情報流 通行政局情報流通振興課長)
松田昇剛(情報流通行政局地域通信振興課地方情報化推進室 長

これが作成されたのは2018年で、その10月からはICT農業がテーマのドラマ「下町ロケット」が放送されました。シーズン1では、ロケット打ち上げがテーマでしたが、シーズン2の「ゴースト/ヤタガラス編」ではロケットが打ち上げた準天頂衛星によって、無人トラクターの制御精度が格段にアップし、日本農業の未来を救うという物語が展開しました。

しかし、はっきりといえば、農業の自動化は不要だと考えます。

なぜなら、高性能で最先端のものが作られたとしても、それを導入できるのは大資本の農家、農業法人だけだからです。

もちろん、農業の自動化によって、それらの農業作業がより効率化に繋がることは間違いない事ですし、必要に応じて導入されればいいと思います。

しかし、それよりも先にやるべきことがたくさんあるのが、日本の農業界の問題だからです。

農園の大規模化は大企業が肥え太るだけで、農業法人が次々と参入しているという最近の農業界の動向を見れば分かる通り、それは、TPPと密接な関係を保ち、明確な目的を持って変革させていることがわかるからです。

「遺伝子組み換え」で世界中で排斥ブームが起きた、かの「モンサント」を始め、種子法廃止によって外国で生産された種子が日本市場を席捲し始めているそうですし、水道民営化や、入国管理局の格上げによる外国人労働者を増やすことの目的もまた、日本人に農業に関わらせずに、安価で従順で勤勉な諸外国の労働者を雇うことが一つの目的であるからです。

参考サイト:TPP締結で本当に得するのは誰か?

こうして派遣業を得意とするパソナが大活躍、というシナリオがすでに整いつつありますし、パソナは東京オリンピックでもボランティアなどの人員導入に関わっていることも知られています。

話を転じて、先ほどの未来イメージ「15の生活シーン」を元に「株価」について見てみると、衛星、ロケット、通信、人工知能などの分野をうまく選べば、そこそこ勝てるということも見えてきます。

ということでここでは、AIと農業という視点から、現在その分野にどのような企業が関わっているのかを明らかにしていこうと思います。

ICT農業のAI研究の主導役は?

ざっと調べたものをひとまずは列挙します。

井関農機、三菱商事、住友商事、NTT、NEC、オリックス(八ヶ岳農園)、富士ゼロックス、デジタルガレージ

といういわゆる「大企業」に加え、重複するところもありますが、以下の農業界ではおなじみの企業も名を連ねています。

〜以下アグテック(Agtech)/アグリテック(Agritech)関連事業に挑戦している企業まとめ から引用〜

掲載企業
オイシックスドット大地/ らでぃっしゅぼーや/プラネット・テーブル/富士通/日立ソリューションズ/クボタ/日本電気(NEC)/ファームノート/ベジタリア/ルートレック・ネットワークス/セラク/ネポン/井関農機/PSソリューションズ/デザミス/農業総合研究所/アグリメディア/ヤンマー/SenSprout/スカイマティクス/ヤマハ発動機/ボッシュ

〜引用終わり〜

他にも、北海道帯広に本社を置く「農業情報設計社」も、官民ファンドやデジタルガレージの関連会社、財務大臣=麻生太郎が94.3%の筆頭株主の農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)から出資を受けています。

農業ICTベンチャー 農業情報設計社が第三者割当増資を実施

ということで次に、未来イメージ「15の生活シーン」の全自動農村で、ICT農業を牽引することになるはずの、大規模農業について明らかにしていきます。

大規模農業とは?

大規模農家という言葉が具体的どの規模の農家さんのことを指しているのかがはっきりとしませんが、以下の記事でもわかるように、これまでの日本農業には大規模農家というのはほんの一握りだけだったようです。

日本農業は、やっと大規模農家が主役になる | 政策 | 東洋経済オンライン

最新のデータではありませんが、農家の収入が所得の半分以上の農家を主業農家といい、全国でおよそ40万戸存在し、その中の14万戸が年収一千万を超えていると言われます。

その14万戸全てを大規模農家というのか、それ以外の主業農家にも大規模農家がいるのかは不明です。

話は変わりますが、農業に欠かせないのは農機具ですが、100年続く老舗農機具メーカーの社長のパワハラセクハラ問題があったことも記憶に新しいことでした。

【追記あり】創業家の前社長のパワハラ・セクハラで30人以上退職…農機メーカー従業員が提訴へ

セクハラといえば、ある目的のために、遥か過去のセクハラ問題を大々的に報道して、ある人物を社長の座から引きずりおろす、という暴挙をした会社があることも話題となりました。

偽装農家の仕組み再考。経営所得安定対策と農業弱者論

自民党が行なっている農家への支援策に「経営所得安定対策」という制度があります。これは、民主党政権の時から引き継がれているもので、当初は10a(アール)で15000円が定額で支給されるというものでした。

現在では支給額が半額に設定され、そののちに廃止にされていますが、2019年から新たに類似した制度の開始が検討されています。

ここで、当初の定額支給通りに交付金を受けると、いったいいくら儲かるのかを数値で表しておきます。

まず民主党が当初決めた基準は10aで15,000円でした。これをわかりやすくヘクタール換算にするとこうなります。

1ha(100a)=150,000円

これを元に計算していくと、あるモデルの専業農家の場合、8haで1,200,000円(120万円)が交付されることになります。

さらに、農業分野の天皇賞を受賞したことで知られる大規模農家、横田農場の場合は112haで、およそ16,800,000円(1680万円)が交付。

そのほか、複数の組織となりますが、庄内地方の若手農業後継者グループの場合700haで105,000,000円(10億500万円)が全体で交付される計算になります。

これらを踏まえた上で改めて偽装農家についてまとめておきたいと思います。

これまでの偽装農家についての記事は以下となります。。

偽装農家とは誰なのか①農地転用を待つ農家|Garden Dairy 2018年10月29日(月)

偽装農家とは誰なのか②儲かる農家と補助金のゆくへ|Garden Dairy 2018年11月1日(木)

偽装農家とは誰なのか③農業の未来を素人が考える。|Garden Dairy 2018年11月7日(木)

偽装農家とは誰なのか④税金のゆくへとTPPとタックスヘイブンの関係。貿易というブラックな仕事|Garden Dairy 2018年12月28日(金)

まず、色々と調べているうちに、偽装農家というのは兼業農家、または、零細農家と呼ばれている人たちのことであることがわかってきました。

これらの人たちは基本的に、サラリーマンをしていて、役場や農協をはじめ通常の企業に勤めているので、給与収入がある上に、持っている土地で農業を行なっているそうです。

そして、先ほどの「経営所得安定対策」というのは、これらの偽装農家と呼ばれる人たちが喜ぶ仕組みでもあるそうですが、先ほどご紹介した「定額支給」に加えて「赤字補填」という支給があります。

赤字補填なので、当然ながら「黒字経営」の農家には支給されません。ですので、これも当然ながら「専業・優良農家」には全く関係のない話になります。

つまり、赤字計上を出すことで、支給を受けられるわけです。

そして偽装農家は、「農家」という肩書きがあるために、この他にも様々な恩恵を受けているといいいます。それは、

  • 固定資産税の軽減
  • 相続税はほぼゼロ(耕作放棄でも農地は農地)
  • 田んぼは一枚数千万円で売れる
  • そもそも、戦後の農地解放で「ただ同然」で貰い受けた土地

などが挙げられます。

その上、農業の生産効率を上げるという目的で、国が行う「基盤整備」というものがありますが、この基盤整備が、その自分の地域で行われることになれば、農地が整備されてその土地がさらに高値で売却することができ、それを心待ちにしている偽装農家も多くいるとのことです。

つまり、ただ同然で手に入れた私有地を、公費で整備してもらって、そこで「地価」がアップした分、儲けることができている。

これが偽造農家の現状だといいます。

で、これらの公共事業を行うために「農業弱者論」などがマスコミ主体ででっち上げられているというのが、浅川芳裕が主張している話です。

そして、これらの偽装農家は、日本の農業生産にほとんど貢献しておらず、偽装農家と、そのほかの兼業、主業農家を合わせておよそ4割の農業生産を生み出していますが、そのほかのわずか7%の優良農家が、国の農業生産の6割を生み出しているといいいます。

年収一千万円を超えるおよそ14万戸(およそ5%)の専業・優良農家がおよそ5兆円にのぼる日本農業生産の6割に当たる生産高を生み出しており、偽装農家を含めたおよそ200万戸の農家が残りの4割の生産を生み出しているということになります。

これらの数字はあくまでも年々変化するものなので、正しいものとは言えませんが、何か大きなことがない限り基本構造は変わることはないはずなので、これらの数値は基本的に間違ったものとはならないはずです。

つまり、これらを統合して言えば、前出の浅川芳裕の主張の通り、先進国の農業は、全人口のわずか1〜2%で、その国の食料は生産できるということが嘘ではないとわかります。

現在の日本農業の現状を誤解を恐れずにいてしまえば「優良農家の周りに群がる偽農家・農業法人が、政治家や役場と癒着して国費を引っ張っている」と言えます。

もっとはっきり言えば、税金で生活している人が、土地ころがしで不労所得を得ている。

ということです。

果たしてこれで、国が正しく回るのでしょうか、どうやら、回っていないと思います。

最近フランスのマクロン大統領が、金持ちや法人の税金をことごとく減らし、数々のお金持ちがますます肥え太る政策を、40年以上の渡って行ってきたことに対して、ついに民衆が暴動を起こし、それが8週間も続いているといいます。

以下 新自由主義に抗戦するフランス国民 – ハーバービジネスオンラインより引用

マクロンの経済改革は、典型的な新自由主義政策(グローバリズム)であって、「法人税を33%から25%へ引き下げる」「富裕税を廃止する(減税)」「年金所得者、低所得者にも課税する」「経営者が労働者を解雇しやすくするために労働法を改訂する」などだ。こうなると「低所得者から富裕層と大企業に所得が移転し」「企業ではリストラが進む」ことになる。

〜引用終わり〜

〜以下こちらから引用〜

フランスで5日、マクロン政権に抗議する一斉デモが8週連続で行われた。年末にかけ、一旦、規模が縮小したデモは、再び活発化するおそれも出ている。

5日、パリでは約3500人がデモに参加し、「マクロン大統領は辞任せよ」などと叫び、市内を行進した。治安当局がデモ隊を排除しようとして催涙弾を放つなど、一部で騒然とした雰囲気となった。

デモは、年末年始の休暇で一旦、規模が大幅に縮小し、先月29日、パリでの参加者は数百人に減少した。しかし、新年最初の週末となった5日は、車などへの放火が相次ぎ、治安当局はデモが今後、再び盛り上がるおそれもあるとして警戒している。

〜引用終わり〜

実はこれと同じことが、現在日本でも進行中なのですが、庶民は働くことや娯楽でストレスを発散することに夢中で、自分がいかに飼いならされているかに気づけない人も多いようです。

もちろん、ここで偽装農家と断定してきた兼業農家の方にも、一筋縄ではいない問題があるとは思います。が、悪事は悪事として、はっきりと白日のもとにさらしていただいて、真に農業に興味を持ち、農作業や農業自体にやりがいや探究心を思っている人など、必要なところに必要なお金が行き渡る農業の正しい形に収まるようにと願っています。

その土地を売ることだけでお金に変えるのではなく、大企業にただ経営を任せればいいというだけでもなく、真に人類にとって有益な使い方は何かという視点がこれからは国レベルで議論されていってほしいと思っています。

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