garden_dairy

カロリーベースと農業弱者論の問題点|Garden Dairy 2018年10月23日(火)

10月23日(火)十三夜

最低気温(℃) 12.0
最高気温(℃) 16.5
日照時間(h) 1.8

出典:気象庁ホームページ

今日は庭の変化も特にないので農業について。

私はお金につながるような農業に携わった経験はありませんが、農地を借りて、農家さんの指導のもと野菜栽培をしたり、草花や生き物の生態にはずっと興味を持っていました。

特に東日本大震災を機に、これまで以上に自然に興味を持つようになりましたし、人間が自然と切り離されているということに一つの不幸の元があるという視点にも興味を持ちました。

そのような思いをきっかけにプリマヴェーラで農業のプロジェクトを始めて、幸いにも神奈川県の秦野市の農家さんに使われていない農地をお借りして、かれこれ4年目となりました。

そして、以前から農業に対してなんとなく感じていた閉塞感のようなものがここにきてはっきりと理解できるようになってきました。

私たちのような素人や資本金の少ない立場の人たちが農業に参入することはほとんど不可能だということは確かに当たり前かもしれません。それでも、個人的にはもっと簡単に農業にチャレンジできる環境はできないものかと常々感じています。

農業は直接的に人々の生き死にに関わるような産業で、国家としてもそれは最優先で保護すべきものだということは重々分かります。しかし、それでもよそ者は一切寄せ付けないような雰囲気が漂っているということに違和感を感じます。

その疑問をなんとなく解決してくれたのが以下の記事でした。

生産財営業のプロセスと心技体-青草新吾の惺々著考

ここには今の日本の農業の根本的な問題点が分かりやすく説明されています。

ドラマ「踊る大捜査線」で主人公がいう「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」という名言がありました。

しかし、常に現場の制度を決めるのは、ほとんど農作業などに関わったことのない官僚と言われる方々です。この常識を打ち壊すことは簡単なことではありませんが、それは、私たち庶民がしっかりと農業の現状を把握するところから全ては始まると思います。

先ほどの記事からの抜粋というような形で、簡単に現状の農業の問題点を書き残しておこうと思います。

「農業弱者論」と「カロリーベース」による嘘の数値

先進国では人口のわずか1~2%の専業農家がいれば国民の食は確保できる、と言われているそうです。もちろん日本は先進国なので、その条件が適用されます。

2005年のデータでは日本の専業農家は5.3%でおよそ数十万人と言われています。先進国基準の5倍ほどの農業従事者がいることになります。

そして、現在の日本で農業に携わる人、国の予算の影響を受けている人を大まかに分類すると以下のようになります。

  1. 専業農家(プロ)
  2. 兼業農家
  3. 偽装農家
  4. 役場・農協
  5. アルバイト農家(パートタイム)

このうち、所得の半分以上を農業所得で稼いでいる人たちを「主業農家」と言います。

その人口はおよそ40万戸でその生産高はおよそ8兆円。この8兆円のうちの6割の生産高を、わずか14万戸で稼ぎ出していると言います。

そこで農業弱者論です。

「農家は貧しくて大変である」というようなイメージを印象付けているのが農業弱者論ですが、農家所得は、国民の平均所得の1.2倍で、実際はちょっと多い年収を得ています。

およそ600万円といったところでしょうか。

そして、先ほどの1〜5までの農業従事者のうち、国からの補助金などの数兆円に上るお金(農業対策の税金)は、主業農家以外の偽装農家などにも支払われていると言います。

偽装農家がなんなのかは現在調査途中ですが、ともかく、国民の税金がおかしなところに使われることが正しことのはずがありません。

そして、現在の農業、特に農家を中心にその構造を考えると、本来農家は生産からマーケティングまでの全てを考えて、様々なチャレンジをできる立場にあるはずなのが、現状の農業の仕組みでは以下のような構造になっており、それがクリエイティブな農業を阻害していると言います。

経営者:農水省
管理職:農協
労働者:農家

本来は農家の中で、どんな商品を開発することがいいのか?というマーケティングから、それを実際に運営・指揮する管理職、そして、現場で実際に動くことになる労働者、これらを全て農家が行うことで、血の繋がった農業生産、国の食が成り立ちます。

しかし、労働者と管理者、さらに経営者との関係性はいわば「トップダウン」

現場の人間(農家)はただ上から言われたことに忠実に動くしかない。しかもお金の額に完全に左右されている。

当然と言えば当然ですが、金にものを言わせた運営体質が農業にも健在しているということです。

さらに、高い関税率、補助金や国の振興策があることで、市場に競争が生まれず、農業のチャレンジを阻害していると言います。

その構造を保持している論拠の一つに「カロリーベース」が存在します。

「カロリーベース」は、その計算方法に問題があります。

世界的な「自給率」の計算方法は「生産額=どれだけ農作物を作ったか」がベースになっていますが、日本は「カロリー=どれだけ人が食べたか・消費したか」をベースに計算するため、実際には人が口にされない食事(残飯、おすそ分け分の生産、市民の週末農業などで作られたもの)もカウントされてしまいます。

こうすると当然のことながら、生産額ベースの計算法より、低い自給率が弾き出されます。こうして「日本の自給率は低いから、海外から輸入しないとダメ」という論法が作られたと言います。

まとめ

おそらくこれ以外にも農業と政治との絡みで、ダークな部分が多く存在していることでしょう。

ここでは、「農業弱者論」と「カロリーベース」の嘘について見てきました。

農家さんは、しっかりとやっていれば国民平均所得よりは多い額の所得を得ていること、さらに、カロリーベースという嘘で不要な食品が輸入されていること。

今後もこのことを取っ掛かりとして様々に調べていきたいと思います。

参考サイト:生産財営業のプロセスと心技体-青草新吾の惺々著考

0 comments on “カロリーベースと農業弱者論の問題点|Garden Dairy 2018年10月23日(火)Add yours →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です